「シンプルなデザインにして」とよく伺います。
なぜシンプルが良いのかといえば、
雑味(主に伝えたいこととは関係の薄い、必要としない内容や表現)
を削ぎ落とした結果、
集中を妨げるものが減り
わかりやすさが増大するからと考えています。
デザインでシンプルさを実現するのに
ミニマルデザイン
なる考え方があります。
ミニマルデザインとは内容(コンテンツ)にとって
ムダな要素、ムダな装飾を
できるだけなくしたデザインのことです。
今では見慣れた
フラットデザイン
マテリアルデザイン
にも通じる考え方です。
2000年代にADSLが登場して飛躍的に通信速度があがると、
ホームページにも
大きな画像
フラッシュムービー
などがふんだんに使われるようになり、
リアルで凝った見た目のアイコンやボタンが好まれ、
画面から浮き上がっているような
3D表現がよく見られるようになりました。
いわゆるリッチといわれる表現です。
インターネット、ホームページが
今のようにあるのが当たり前のものでは、
まだなかった時代でした。
そのため利用者が
機能を理解しやすいように
現実に似せた表現をとる必要があった
ためでもありましたけれど、
次第に差別化を図るのに
デコラティブな技術がどんどん登場、発展していきました。
最新技術を感じさせる
目新しいエフェクト(効果)で盛り上げられた画像
激しい動きのあるフラッシュムービー
は刺激的で、
近未来を感じさせ、
とてもキャッチーでキラキラしてました。
光ファイバーの普及が進み、
スマホの4G通信が登場する2010年頃には、
この虫眼鏡マークは検索するもの
家マークを押すとトップページへジャンプするもの
といった具合に、
ホームページ上で使う機能の多くは
広く知られるようになっていて、
現実に近づける表現を
それほど必要としなくなってきていました。
フラットデザイン
が登場したのはその頃です。
スタート画面ががらりと代わった
2012年のMicrosoft Windows 8
の登場は象徴的な出来事でした。
それまで半立体に浮き上がっていた
アイコンやボタンは、
パネルのようにフラット(平坦)な色面
白一色のマークがある状態
に変わりました。
一見すると
押せるものかどうかわからないデザインです。
その頃フラットデザインを使った
WEBサイトはまだ少なかったので、
登場当初は違和感から騒がれていたと思います。
しかし、その声も次第に聞かなくなっていきました。
既にホームページやアプリの機能に対する
認知や理解が進んでいたためだろうと思います。
最新技術だったものも、時間とともに陳腐化します。
目眩ましのような動きのある表現も
多くで使われるようになると
見慣れたものとして驚かなくなりました。
そうして、
不必要に装飾された要素
過度に凝ったデザインの価値
は薄れ、
コンテンツそのものの価値
を意識する時代になってきました。
デスクトップパソコンよりも
通信速度(ホームページを表示する速度)を気にする必要がある
スマホの利用者が増えた
ことも後押ししたと思いますが、
2018年にはGoogle検索で
ホームページの表示速度
が検索順位を決定するための評価項目になりました。
その少し前から
モバイルファースト(スマホ優先)
が推奨されだしてはいましたが、
表示速度は強い追い風になったようで、
データ量の重めなリッチデザインではなく
軽量にしやすいフラットデザイン
を採用するWEBサイトが
一気に増えだしたように思います。
2020年代にはいっては
当社にリッチデザインのホームページを
希望されることも、つくることもなくなりました。
装飾要素が極めて少ない
文章が少なめで余白の多い
フラットデザインやマテリアルデザイン
の多くはスタイリッシュに見えますし、イマドキ感があります。
フラットデザインやマテリアルデザインは
シンプルなデザインをつくるための方法としてだけでなく、
掲載する内容の整理まで含めた考え方です。
ただし、あくまでも考え方のひとつであって、
その本質的なところは
コンテンツそのものを主
とすることです。
その手段として
ミニマルなデザイン表現、
シンプルさを最上のものとして
ムダなものを極力減らす
ということになります。
つまり
シンプルであれば良い
ということではなく
コンテンツに意識を集中してもらいたい
という願いが土台にあって、
そのためにシンプルさを求める、ということなのです。
シンプルさを追求しすぎると、
なんだか良く分からない抽象的な表現か、
不親切な案内
になりかねません。
ケースバイケースで、
シンプルでもなく
スタイリッシュでもない
ベタで冗長な表現
をする必要もあります。
もっとも大切なのは
コンテンツを見る人のために作る
ということだと思っています。
